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おたより
Letter

園だより

「やってみせ、黙って笑顔でさせてみて、誉めてやれば子どもは育つ」

私が保育の世界に入って間もない頃のことです。ある日、2歳の男の子が私の手を握り、どこへ行くでもなく、保育室を徘徊し始めました。何か遊び道具はないものかと思案していた私は、ふと彼の手が汚れていることに気がついたのです。そこで、私は彼を洗面台に連れて行き、手を洗うように勧めたのです。この後、私は彼からとても大切なことを教えられることになります。

二つ並んだ洗面台。レバーハンドル式の水栓が付いています。「手を洗おう」と彼に声を掛けると、彼は水栓の吐水口の下に手を伸ばし、出るはずのない水が出るのを待っています。私が水を出すのを待っているのでしょうか。私は、一瞬レバーを操作しようとしましたが、思い留まり、自分で手を洗う様子を彼に見せてみることにしました。すると、彼は自らレバーを操作し、手を洗い始めたのです。洗い終えたものの、水は出っ放し、彼の手は濡れっ放しで困惑しています。そこで、私は水の止め方と近くにあったペーパータオルの使い方を見せてあげたのです。すると、彼は見よう見まねで水を止め、ペーパータオルで手を拭き、それをゴミ箱に捨てたのです。嬉しくなった私は、「よくできたねー」と誉めていました。彼は嬉しそうに笑みを浮かべ、楽しかったのか、次は隣の洗面台で全く同じことを始めたのです。もう2回手を洗いました。「行こうか」と声を掛けると、彼は笑いながら爽やかに私の誘いを無視し、また、元の洗面台で同じことを繰り返したのです。もう止まりません。ケタケタと笑いながら2つの洗面台を往復しながら、5回6回と同じことを繰り返すのです。私はその微笑ましい光景を黙って観ることにしました。時折、彼は得意げに私の顔を見ます。その度に私は笑顔で応えます。そして7回目。彼は水栓金具の左側に備え付けの水石鹸入れを見つけるのです。彼は興味ありげにそれを物色し始め、ついに、彼はそこから出る不思議な液体で手を洗うと泡が発生することを発見するのです。泡を十分楽しんだ後、水で泡を流し、レバーを操作し、水を止めてはまた同じことを繰り返す。

3回は繰り返したでしょうか。私は水がもったいないと思い、4回目、彼が泡で遊んでいる間に水を止めたのです。もちろん彼は再度レバーを操作して水を出し、泡の付いた手を洗います。 そして、最後、水を止めようとレバーを操作した時、彼は手に泡が付いていることに驚き、困惑した表情を見せたのです。それはそうです。泡で遊んだ手でレバーを操作しているのですから。彼はその後、5回同じ失敗を繰り返します。そして、6回目、彼は泡の付いたレバーを水で流してから操作することを自ら学んだのです。もう驚きでした。感動した私は、精一杯彼を誉めていました。その時の彼は何か大きなことを成し遂げたような自信に満ち溢れたとても良い顔をしていました。

彼が水栓の吐水口の下に手を伸ばした時、安易にレバーを操作せず、思い留まって良かったと思います。子どもは自ら考え、自らの力で困難を解決する力を持っているようです。大人はその最初の一歩を導いてあげることだけで十分で、大人が大人の価値観で判断し、大人の勝手な都合でその子どもの成長の機会を奪ってはいけないのだと彼に教えられた瞬間でした。

園長

定員増のご案内

7月1日から、下記のとおり定員を増やしましたのでご案内致します。

※今回の定員増は弾力的運用による定員増となります。1歳児定員は恒常的に15名とする予定ですが、2歳児定員は来年度は15名に戻り、3歳児定員が18名となる予定です。

定員増に伴い、7月1日から6名の新しいお子様がご入園されました。フロア便り等にて改めてご紹介いたします。

職員退職のお知らせ

平成30年6月30日付 幼児フロア 松田 が家庭の事情により退職致しました。
新たな職員採用に向け動いておりますが、採用までの間、園全体でフォローして参りますのでご理解ご協力よろしくお願い申し上げます。

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