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おたより
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園だより

子どもたちの成長

乳児室の出入り口の扉が、動きにくくなってしまいました。それをきっかけにいつも開けておくようにしたら、外に出てくる子が多くなりました。まだ歩けない子供たちも、はいはいで外に出てきます。ある日トイレの前まで行った子が、次の日は事務室の前まで進んできたりします。「まだ行ったことがないところまで行くことができた。」というのは、子どもたちには、すごくうれしいことなんだろうなと思います。

4月に初めて2階の幼児室で過ごすようになった2歳児の子どもたち。初めはどこか不安そうな様子だったのですが、最近は、しっかり自分の思いを表現して遊び、生活しています。「今日は、ママとばいばいしてパパときたの。」ズボンをはこうとして「○○ちゃん、おしり入れられないの。」など、自分のこともちゃんと伝えられるようになりました。「自分の思いをちゃんと表現し、人に伝えられる喜び」というものも大事ですね。

1階でも2階でも、職員がだれかに拍手していると、一緒に拍手してくれる子が多いのですが、最近年長の子どもの中には、自分で友達のいいところを見つけて拍手してくれる子が出てきました。子どもの拍手に合わせて大人が拍手してあげたりもしています。

年長の子どもたちは、集団としてのまとまりの意識も強くなってきています。だれかが片付けを始めると何人もの子どもたちが一緒に片付けたり、リズム表現のときなども、一人一人がそれぞれ楽しんでいるだけでなく「一緒にやるのが楽しい。」「みんなががんばっているからぼくもやる。」というような気持ちがはっきり出てくるようになりました。

育つ力が働きだすために

新聞のコラムに、発達障害(ADHD-注意欠如・多動性障害)と診断された子どもの両親が、親を対象にしたペアレントトレーニングに参加した話が紹介されていました。小学2年生の男の子は、保育園のころから集団行動が苦手で、叱られると母親を蹴飛ばすこともあったそうです。ペアレントトレーニングでは、講義だけでなく親への宿題も出ました。以下、記事を少し引用します。

-最初の課題は「子どものいい点を見つけてほめる。」父親はとまどった。これまで男の子のいい点を意識したことはなく、気がつくと叱っていたからだ。

偏食で野菜嫌い。食事のたびに「また残して。」と怒っていた。課題が出てからは、男の子が箸を手に嫌いなピーマンを見ているだけで「ピーマンを食べようとするなんてえらいな。」とほめた。最初は半信半疑だったが、妻と2人で小さなことでもほめ続けたところ、1~2ヶ月で男の子の顔に笑顔が増えた。今では授業中に1人だけ別の行動をとることもなく、偏食も減った。-

ADHDの原因は、脳の一部の器質的なものだといわれています。しかしそんなことをいえば、私たちはみんな生まれつき何らかの制約は受けています。みんながオリンピックに出られるわけではないし、そういう人だって別の面では制約があります。人間にできることは、誰にとっても、それぞれの制約の中で可能性を開花し続けることです。神田橋條治という精神科医は、「発達障害は治りますか。」と質問されて「発達障碍者は発達します。」と答えたそうです。そして発達し続けるためには、身近な人からの肯定的な働きかけによって自信や意欲が高まり、内側から育つ力が働き出すことが必要なのです。

このお父さんもすごいですね。「これまで男の子のいい点を意識したことはなく、気がつくと叱っていた」人が「ピーマンを食べた」ことでなく「ピーマンを食べようとした」ことをほめるようになったのですから。「食べようとした」ことに気がつくのは、「小さなことでもほめる」という意志をもって、子どもをちゃんと見ていたからだと思います。そうすることで、子どもに対する愛情も自然に細やかになってきたのではないでしょうか。

何をほめるのか

「子どもの何をほめるのか」ということには、その人が何を大事にして生きているのかということや、人間としての幅の広さが表れるように思います。テストでいい点をとったり、かけっこで一番になったりしたときにしか子どもをほめないという人は「結果(だけ)が大事だ。」という価値観を持っているわけです。

ある先生は、事務室に入ってきた1歳児が、その子の手にはあまりそうな大きなものを手にとり、「危ないから置いて。」と言われて手を放した時「えらいねえ、わかって手を放せたんだ。」と言って大きく拍手していました。その先生は、別の日に「子どもが何かのおもちゃを選んだとき、『それ、面白そうだね。』『いいね』と言って拍手してあげるのも大事だ。」と話していたこともあります。

「人の話を聞いて自分の思いをコントロールすることができる」ということと「自分の思いでやりたいことを選ぶことができる」ということは、反対のことのようですが、どちらも人間として欠かせない大事なことですよね。幅広い見方で、子どもの色々な面をほめていくことができるようになりたいと思います。

別の先生は、「前は、初めてできるようになったことをほめていたんだけど、このごろ、前からできていることもほめるようになった。」と話してくれました。これも大事なことだと思います。食べること、あいさつすること、元気に保育園に登園すること・・・毎日の当たり前なことを喜ぶこと、その喜びを広げていくことが、一番大事な「ほめる」はたらきなのだと思います。

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